もにょもにょ。(O*N)
□君を束縛したいのです。04
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side:N
水族館についた。
二人揃って歩いてたら、
誰かに見つかっちゃうかもって
思ってたんだけど・・・
館内は暗いし、みんな水槽を見てるから
顔バレすることはなかった。
魚が水槽のガラス近くに泳いでくると・・・
やっぱちょっと怖い・・・。
目を逸らそうとしたら、
大野さんが俺の手をとって、恋人つなぎ。
N:「男二人が手を繋いでたら変に思われるよ」
O:「きっとお前は女の子に見えるから大丈夫」
N:「・・・全然嬉しくない・・・」
そんなことをコソコソッと話して。
・・・でもね、手を繋いでくれたのはすごく嬉しかった。
O:「ほら、ニノ、くらげ見て・・・」
円柱の形の水槽の前で立ち止まる。
そこにはふよふよ漂う、くらげがたくさん。
・・・すごく、綺麗・・・。
いろんな種類がいる。
でも俺が目を奪われたのは、ミズクラゲ。
半透明のからだ。透き通ってて、すごく綺麗。
ミズクラゲの水槽に張り付いてみてたら。
O:「ミズクラゲ?」
N:「そう。他のも綺麗だけど、
俺はこれが一番好き」
O:「船に乗れればいいのに」
N:「なんで?」
O:「ミズクラゲって一番普通にいるんだよ。
船とか、温かいところによくいるからさ」
・・・船酔いするから、無理だけど。
大野さんと海を泳ぐクラゲは・・・見てみたかったな。
それにしても・・・綺麗でロマンチック・・・。
水槽を見上げる大野さんの顔も、綺麗・・・
キス・・・してほしい・・・。
絶対ここじゃ無理なのに、思ってしまう。
O:「ニノ、ちょっとこっちの水槽見て!」
大野さんが呼ぶから、端っこの水槽の前に移動する。
そしたら角に追いやられて・・・
チュッ・・・
くちびるを奪われた。
N:「〜〜〜!///」
驚いて大野さんを見る。
O:「なんだよ」
N:「バレたらどうすんのっ!」
O:「だってお前、して欲しそうな顔してたから」
・・・なんだってお見通しみたい。
わかってくれて、ありがとう・・・
胸が温かくなる。泣きたくなる。
O:「そんな顔すんな。ほら、進むぞ」
大野さんが俺の手を引いて、歩く。
俺はただ、ついていく。
幸せを、感じながら・・・
水槽を全部見て。
トルコアイスを食べながら、バルコニーで
ボーッとしたり。
お土産屋さんで、可愛いぬいぐるみの頭を撫でたり。
とにかく幸せ。
でも、もうすぐ水族館から出る。
そしたらあとは帰るだけ。
デートが終わってしまう。
考えると寂しくなる。
時間が止まればいいのに・・・。
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