STAY MY LOVE(O*N)
□女
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彼女が部屋に着いて、すぐに抱きしめる。
女:どうしたの?智がそんなになるの、珍しいね。
言いながら、俺の背中に腕を回す。
香水のニオイ・・・
和とは違う、ニオイ・・・
あぁ、俺、こんな時まで和のこと思い出してる。
これじゃダメだ・・・。
彼女に集中して・・・
1ラウンド終えて、二人でベッドの上に寝転んでる時。
ヘッドレストにあった、俺の携帯が鳴る。
画面に表示されてるのは・・・
二宮和也
・・・和からの電話だ。
さすがにためらう。
女:私のことはいいよ。出れば?
彼女がそう言ってくれたので、
通話ボタンを押して、ベッドを降りる。
ソファに移動しながら、話す。
智:もしもし?どうした?
−−−大野さん?あのね・・・
言い淀んでる・・・
智:どうした、和・・・
−−−大野さん、今どこ?
智:ホテル・・だけど。
−−−ひとりですか?
智:あぁ、ひとりだよ。
とっさに嘘をついてしまった。
−−−じゃあ・・帰ってきてください・・・
泣きだしそうな和の声が耳に響く。
智:何か、あったのか?
−−−何かなきゃ帰ってこないの?
寂しい・・・
そばに・・いてやるって・言ったのに・・・
言葉に詰まる、和。
・・泣いてる・・のか?
そうだ。「そばにいてやる」って言ったのに。
ひとりにしてしまった・・・。
智:わかった!すぐ帰るから!!待ってて!!
電話を切って、彼女を見る。
彼女は俺に笑いかける。
女:やっと本気になれる子、みつけたんでしょ?
私のことは気にしないで。
智:・・・悪い。ありがとう・・・。
女:ただね、智・・・
智:わるい!すぐ出るわ!!
彼女は何か言いかけてたけど・・・
彼女を残して、部屋を出る。
彼女に宿泊費を負担させるわけにはいかないから
フロントで会計を済ませ、
朝食のルームサービスも予約する。
ホテルを出て、タクシーに飛び乗り
自分の家まで、急いだ。
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