もにょもにょ。(O*N)
□君を束縛したいのです。02
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side:N
もうすぐ・・・バレンタインだ///
バレンタインを意識するなんて、女の子みたいだけど・・・。
でも、大野さんに想いが通じて。
今年のバレンタインは一緒にいたいな、なんて思ってる。
14日は金曜日。週末だからお店とかは混むよね。
家で会うことはできるかな。一緒に過ごせるかな。
仕事は二人とも入ってないから。
大丈夫だよね???
和:大野さん、14日の金曜日なんですけど・・・
智:あ!俺、その日は友達と釣りなんだぁ〜♪
和:え・・・そっか・・・
うわぁ、お友達に先を越されるとか、ホントにもう・・・
でも、一緒に過ごしたいよ。
俺らしくもなく、しつこく・・・
和:じゃ、俺も釣りしたい!!
お願い!いいよって言って・・・!!!
祈るような気持ちでいたのに・・・
智:ムリ。船釣りだもん。お前、酔うだろ?
・・・船に乗るのは・・・無理だぁ・・・(泣
和:・・・じゃあ・・・夜・・・
智:きっと夜まで釣ってるよ。
和:・・・電話しちゃ、ダメ・・・?
なんか、会うのは無理みたい。
寂しい・・・ちょっとだけ、悲しい・・・
だから。せめて声だけでも聴きたいよ。
智:・・・電話?多分、出れないから。ごめんな。
和:・・・・・・。
智:ぃよっし!上がり!お疲れ様でーす!!
何か言葉を探してたのに、大野さんは仕事が終わって
部屋を出ていってしまった・・・。
・・・そうか。そうだよね。
普通、男同士でバレンタインとか、
きっとそういう発想というか、概念がないんだね。
ちゃんと「バレンタインだから」って言ってたら
もうちょっと違う反応してくれてたのかな・・・
や、それはないな。
釣りが楽しみで仕方ないみたいだったし。
だから。
会えない。
電話もできない。
あ・・・なんか・・・
胸がチクチクする。
やめなきゃってわかってるのに、
変な方向に考えが向いてしまって。
俺なんかと一緒より、友達のが楽しいよねって。
電話されるのも、うっとおしいんだろうなって。
頭を掠った途端、涙がポロッって出てきた・・・
やだやだやだ、こんな事で泣きたくない。
これじゃ、ただの女々しくてウザイ奴だと思われちゃう。
自由が大好きな大野さん。
結婚したらキスが義務になると思ってる、大野さん。
きっと結婚しなくたって(・・・できなくたって!)
束縛されるのは嫌がるだろうな。
しつこくするのは、やめよう・・・。
自分の荷物をまとめて。
和:お疲れ様です。お先に失礼します。
涙を見られないように下を向いて楽屋を出る。
でも帰りの車の中でも。
自分の部屋についても。
なんだか重くて苦しくて、チクチクが消えない・・・。
一緒にいたいって思う事もダメなのかな。
一緒にいたいって思ってるのは俺だけなのかな。
二人、ひとつになって朝を迎えたのに、
それから甘い雰囲気になるでもなく、
いつも通りになってる。
ひょっとして。
好きって言ってくれたのは、酔ってたから?
抱いてくれたのも、酔ってたから?
大野さんを疑うことはしたくない。
でも、こんなに一方通行みたいなのは苦しいよ。
・・・気まぐれ・・・だったのかな・・・
こんなに好きで好きで、そばにいたくて
泣きたくなってるのは、俺だけなの?
・・・泣いちゃダメなのかな。
ウザイ奴になっちゃうもんね。
泣かないように頑張っても、
嗚咽は上がってきて、喉が熱くなる。
涙はポロポロ落ちていく。
やだ、やだやだ、泣きたくないのに!!!
苦しくて、切なくて、どうしたらいいかわからなくて。
思考がぐるぐるしてきちゃったから。
ベッドにもぐりこんで、ギュッと目を閉じた。