STAY MY LOVE(O*N)

□出ていく
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side:N







大野さん・・

帰ってきてくれた。

僕が電話で泣いたりしたからだ。



どうしよう・・・


本当は、女の人と会ってて。

なのに、邪魔しちゃった・・・





僕は、使わせてもらってる部屋の

ベッドの上で、うずくまる・・・

やけに静かな午前5時。

時計の秒針の音が響いてる。

たまに聞こえるのは、

多分大野さんがシャワー浴びてる・・・

バスルームから聞こえる音。




シャワーも浴びないで帰ってきてくれたのかな?


・・女の人、抱いて・・・そのまま・・・???




やめよう。こんな下世話なこと考えるの、よくない。




頭の中を切り替えようとする。




でも。

どんなに振り払おうとしても、

さっき見えた、アトが・・・

大野さんの首筋にあった、キスマークが・・・

脳裏によみがえる。




だめだめ。

今考えるべきなのは、もっと違うこと。


そう、この部屋を出て、どこに行くか・・・

早く新しく部屋を借りなきゃ。

それまでは、相葉さんのところに行こうかな。

・・・きっと優しい相葉さんなら、泊めてくれる。



でもそれでいいのかな。

誰かの好意に甘えて、

その人の生活にまで踏み込んで・・いいの?


ダメ、だよね・・・。



早く部屋、見つけなきゃ。

とりあえず、この家は明日にでも出なきゃ。





いつまでも大野さんの邪魔、してちゃいけない。





部屋の中をぐるりと見渡す。

窓際の壁に、コルクボード。

大野さんが描いてくれたイラストが貼ってある。

大野さんが、僕のために描いてくれた、大事な絵。

これは絶対持っていこう・・・



短い間だったけど、楽しかったな。

大野さんとの生活。

あんまり帰ってきてくれなかったけど、

それでも思い出はいっぱいだ。



・・・大好き・・大野さん・・・



でも、大野さん、彼女ができたんだね。


いや、本当は前からいたのかな。

優しいから、僕が遠慮しないように

「彼女はいないよ」って言ってくれただけなのかも。




・・・知りたくなかったな、彼女の存在。



なんでこんなに苦しいの?

カッコいい大野さん、モテるに決まってる。






・・・キスマーク。

女性が、大野さんにつけた、キスマーク・・・





・・・大野さんはどんな風に女性に接したの?

・・・どんな風に、抱いたの?




あぁ、僕、何を想像してるんだろう。

いけない、こんなこと・・・


・・・寝よう・・・。



ベッドに潜りこんで、眠気がくるのを待つことにした。










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