イナズマ小説。
□いけにえと少女[シュウ]ー1ー
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___ああ、今日も晴天か。
雲一つなく澄みきった青空。眩しい日差しが地面を照りつけている。
此処は木陰だから良いものの、一歩出れば暑さに見舞われる。
こんな日が、幾度続いたことだろう。
毎日のように、朝がくれば空を見上げ、祈っていた。
どうか、雨が降るように、と。
しかし祈りは一向に届く気配がない。雲すら見当たらない日々。ただただ太陽の光が降り注ぐ。
雨が降ってくれないから____もう、水が無い。
村に住む、ななしんという少女は心配だった。
いや、正確には………もうそろそろ、村全体が心配するころだ。
この村の風習、に。
雨が降らないなら、命を捧げるしかない。
神に祈るしかない____そういう風習。