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□不眠症フレンズ
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10:00P.M.


シャワーを浴びて部屋に戻った私は、ベッドの上に投げ置いた携帯電話が着信を報せて明滅していることに気付く。こんな時間に誰だろう…と、最早時代遅れと揶揄されるようになったパールピンクの二つ折り携帯電話を開いた。不在着信を報せるアイコンが液晶画面に表示されている。アイコンをクリックして着信相手を確認して驚いた。クラスメートの黒尾君からだったのである。
彼は内気な私の数少ない友人の一人だ。席が隣同士な上、話しやすい気さくな性格なので、休み時間にはよく好きな芸能人や部活のことを話したりする。ちなみに少し気になっている異性だ。無論恋愛的な意味で。

折り返しの電話をした方がいいのか、いや、時間的に考えて迷惑になるのではないか…リダイヤルをするか否かで迷っていると、不意に携帯がバイブレーションする。
思わず驚いて落としかけた携帯を両手でしっかりと握りしめていると、液晶の上部にメール受信の報せが表示された。送信者は黒尾君である。

メールを開く。
私は目を疑った。


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