DreamV
□触れたくて
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福山さんに触れたい。
今は、青エクのアフレコ最終日が終わり、打ち上げの会場ににいる。
しえみ役の花澤さんと楽しそうに話す福山さん。
福山さんのダジャレに苦笑してる花澤さん、おもしろいのにどうして苦笑してるんだろう。
私だったら、一緒にダジャレに付き合うのに。
中に入って、一緒に笑いたい。
でも、福山さん、本で、しえみと雪男が結ばれて欲しいって言ってたし・・・それに、二人ともお似合いだし。
福山さんと小野さんと、ラジオしてたあの頃に戻りたい。
福山さん・・・潤さん。
イヤホンを携帯につけ、携帯に入ってる、福山さんの演じるグレルのkill☆ingintheheavenを流す。
この、気持ちわかる気がする。
私も、いつかは、福山さんに抱かれて、ウェディングドレスを着て、バージンロードを歩きたい。
「彩陽ちゃん、顔赤いけど、何聞いてるの。」
「あっ、小野さん。」
あわててイヤホンを外す。
「いや、曲聞いてて・・・。」
「なに、聞いてたの?真っ赤になるようなやばい曲?」
「ち・・ちがいますよ。小野さん、なに言ってるんですか!!」
「本当に?」
笑いながら私から、イヤホンを取りはめて聞く小野さん。
「これって、グレルの曲じゃん、懐かしい。」
「彩陽ちゃん、じゅんじゅん好きなんだ。」
恥ずかしい、泣きたいし、穴があったら隠れたい。
「顔真っ赤、図星か。彩陽ちゃん、潤のとこいつてきたら。」
小野さんからイヤホンをうけとる。
「無理ですよ。花澤さんと、楽しそうに話してるし・・・私なんかが入れないよ。」
ちらっと、福山さんをみれば、まだ、花澤さんと話していて。
本当、楽しそう。
泣きそう、涙こらえなきゃ。
こんなとこで、泣いちゃだめ。
耐えるんだ、私。
「彩陽ちゃん・・・」
心配そうに私をみる小野さん。
「あっ、小野さん、私、黒執事の大ファンなんです。原作もアニメも舞台も素晴らしくてなんで、小野さん、セバスチャンしてください。」
「彩陽お嬢様、今日は、ファントムハイヴ家へようこそ。私、当家の執事、セバスチャン・ミカエリスと申します。彩陽お嬢様、申し訳ありませんが、当家の主は、今、手を離せない仕事をしておりますので席を外してるのです。彩陽お嬢様、お部屋へ案内いたしますので、こちらへ。」
すごい、生セバスチャンだ。
私の、無茶振りに答えてくれるなんてさすが小野さん。
優しすぎです。
「ありがとうございます。」
うれしくて、涙があふれた。
涙を隠すために、手で目を覆う。
「彩陽お嬢様、大丈夫ですか?大変、失礼ですが・・・。」
「ふぇ・・・・。」
小野さんに抱き上げられる。
「降ろしてください。」
少し、暴れて抵抗するものの、降ろしてくれない。
そのまま、福山さんのほうに歩き出す小野さん。
「小野D、高垣を姫抱きしてなにしてんの?」
「なにしてるんですか。」
福山さんの隣で、苦笑している花澤さん。
「えっと・・・・。」
どこから、説明しょう。
私も、なんで小野さんに姫抱きされてるのかわからないし・・・。
福山さんにだけは、姫抱きされてるとこみられたくないな。
「彩陽お嬢様、申し訳ありません。坊ちゃんから、用事を命じられていますので、こちらで、お待ちいただけますか。」
「・・・はい・・・。」
私たちのやり取りに、ポカンとしてる福山さんと花澤さん。
小野さん、セバスチャンになりきりすぎだよ。
「グレルさん、彩陽お嬢様をお願いいたしますよ。花澤お嬢様、ぼっちゃんがお呼びですので、いきましょうか。」
「ふぇ。」
小野さんが、花澤さんの手を取り、私たちから離れた。
「グレルって・・・小野D、セバスチャン口調だったし・・・花澤さんつれてかれるし、注目されるし、いったいどうなってるんだよ。」
困った顔をしてため息つく福山さん。
福山さん、怒ってるよね。
花澤さんとの、楽しい時間壊しちゃったし。
「福山さんごめんなさい・・私が、グレルの曲きいてて、小野さんが、それ知って、小野さんに、セバスチャンをみせてもらってたらこうなって・・その、花澤さんと、小野さんところへ行ってください。」
自分で、何をいってるのか、わからなくて、このまま、福山さんといるのがきまずくって、涙をこらえれそうになくて、福山さんに背を向けて、小走りで会場の出口をでた。