DreamW
□憎悪
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「バタ、お前には、無理だ。」
僕の館に、来てまで、僕を愚弄する気か。
どこまで、人を馬鹿にすれば、気が済むんだ。
「・・・グレン様、どうしてここに。」
「この館から出て行って。それに、言ってるじゃない、バタなんかじゃない。私は、パティシエ、レディ・マーガリン。前も言ったけど、バタは、お前が殺したんだ。お前が・・・、それに、いつまでも、落ちこぼれ扱いしてんじゃねぇ。さっさと、出てけ。あんたたち、いくわよ。」
憎きあいつの前から姿を消す。
本当、あいつが憎い。
あいつがいる限り、僕は輝けない。
でも、今は違う。
あいつが、果たせなかったことを僕が達成してみせる。
もう、僕は、落ちこぼれじゃない。
みんなに認めさせてやる。
僕は・・・、僕から、すべて奪ったあいつが憎い。
僕を落ちこぼれ扱いした、この世界が憎い。
「あんたたち、新しい館を作るわよ。今度は、あいつに見つからないようにしなきゃね。」
よし、やっと完成したわ。
新しい館が。
さっそく、アンハッピーバケーキをつくらないとね。
「あんたたち、さっさと、不幸になりそうな客をみつけてきなさい。」
「はい、マーガリン様。」
もっともっと、たくさんの人を、あいつへの憎しみをこめてつくった、この、バケーキで不幸に陥れてやるわ。
このレディ・マーガリンさまが。
絶対、もう二度と、落ちこぼれ扱いはさせない。