DreamY

□わんこキッス
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雨のすごい日、俺は、信頼していた主人に捨てられた。

寒くて、悲しかった。

そんなとき、

「大丈夫?可愛そうに、まだ、仔犬じゃない。うちにおいで。」

って、俺を抱きしめてくれたあなた。

暖かくって、優しい匂いがした。

そのあと、俺は、暖かい部屋につれてかれタオルで濡れた身体を拭かれた。

「よし、名前決めなきゃね。柴犬だし、うーん、和也にしょう。和也おいで。」

和也か・・・。

名前を呼ばれたのが嬉しくて駆け寄れば、思いっきり抱きしめられる。


それから、毎日が幸せだった。

でも、不満が一つだけあった。
それは、あなたに彼氏がいることだった。

「雅子。」
「翔。」

毎回、家に来て、いちゃっく二人をみるのがつらかった。

ああ、俺が人間だったら、あんなやつから、あなたを奪えるのに。
あなたを抱きしめられたのに。



ある日、家でいつものように、あなたの帰りを待つ。

泣きながら帰ってきた、あなたは、涙を浮かべていた。

どうしたんだろう・・・。
なにかあったのかな・・・。

ああ、俺が人間だったら、あなたを抱きしめられたのに。

「クゥン・・・。」

悲しみを分かち合いたくて、あなたに近寄る。

「和也・・・。」

近寄れば、涙をこらえながら、抱きしめてくれる。
涙を舐めると、しょっぱかった。

「・・・和也・・・きいて・・・。翔が・・・翔が・・・、知らない人と抱き合って・・・。」

俺は、ただただ、涙を舐めとるしか出来なかった。

ああ、俺が人間になれたら、あんなやつを忘れさせれたのに・・・。

こんな、あなたをみたくないよ。

人間になれたら・・・。


相葉さんの涙が、俺の身体に落ち、光った。

なんだろう、この光。

気がつくと、体が人間になっていた
人間になったことに嬉しい反面、ビックリした。

「・・・和也・・・?」

人間になった俺にビックリしてる、あなた。

「人間になっちゃいました・・・変じゃないかな?」
「変じゃないよ・・・、格好いいし・・・私のタイプ・・・かも。」

「・・・よかった。俺、雅子が、ずっとずっと前から好きだよ・・・。」
「・・・和也?」

無我夢中であなたを抱きしめた。
あなたに想いを届けたくて、口づけた。


あれから、しばらくして、俺たちは、両想いになった。

これからさき、何があっても、あなたを愛し抜くことを誓いますよ。
永久に。

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