DreamX
□願い
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ねぇ、じゅん。
今、私は、大好きな潤さんと結婚出来て、こうして、一緒に眠ることが出来て幸せ。
でもね、潤さん人形、ううん、じゅんをみると、会いたくなるの。
朝焼けがこぼれて、 部屋を染めても 、夢に彷徨う、あなたに会えそうな気がして、目覚めたくない。
ねぇ、じゅん。
私は、あなたに感謝してるの。
じゅんがいなかったら、潤さんとこんな風には、ならなかった。
じゅん、私は、あなたのこと、好きだったんだよ。
あなたが、潤さんだからじゃなくて、じゅんとしてのあなたが好きだった。
溢れてきそうな涙を必死にこらえる。
こんなとこ、潤さんにも、じゅんにも、見られたくない。
ねぇ、じゅん。
どんなに想っても、どんなに泣いても 、戻らないなら、愛さなければよかった?
わからなくて・・・。
ねぇ、じゅん。
もう一度、人間に戻ってきて・・・。
あなたに言いたいこと、たくさん、あるの。
もしも、願いが届くなら 、痛いほど、 ねぇ、抱きしめて 。
じゅん、覚えてる?
私が泣いてるとき、私を、あやしながら言ってくれたよね?!
「ずっとそばにいるよ」
そう言ってた目は、不安な気持ちを、透かすように、優しく、守るようで・・・。
あのときの、私が、笑っていられたのは潤のおかげだよ。
「彩陽?大丈夫か?」
涙を浮かべてる私を、心配そうに見つめる潤さん。
「大丈夫。嬉しくて、涙が出ちゃった。」
「そか、よかった。無理するなよ。」
潤さんに、抱きしめられる。
潤さん、嘘ついてごめんなさい。
でも、幸せって言うのは、嘘じゃないよ。
大好きな潤さんに、愛されて、私、幸せなの。
ねぇ、じゅん。
もしも、あなたに届くなら 、真っすぐに届けられたら 、もっと 、言葉じゃ伝えきれなかった、 「ありがとう」を送るよ。
「彩陽、今日は、休みだしさ・・・(耳元で囁く。)ねぇ、いいだろう。」
「・・・うん。」
潤さんの甘い口づけが落ちて、そっと、押し倒された。
潤さんに、愛されてるって実感できて、幸せだよ、
じゅんは、私といて幸せだった?
私は、あなたを幸せにできてたのかな?
潤さん人形を、ううん、じゅんを見れば、微笑んでるようにみえた。
気のせいかも知れないけど、じゅんも幸せだって言ってくれてるような気がして、涙が溢れた。
「彩陽?どうした?」
心配そうに、私を見つめる潤さん。
「・・・嬉しくて・・・。」
「泣かないの。」
こぼれ落ちた私の涙を、潤さんがなめた。
ねぇ、じゅん。
私、今、幸せだよ。
でもね・・・。
もしも、願いが届くなら 、明日を愛せそうだから・・・ 。
ねぇ 、いつでも、あなたは変わらずに 私の心のそばにいてね。