DreamX
□ダメダメ王子と暗黒レディー
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なんで、兄さんみたいに悪いこと出来ないんだろう。
「グレンさまとバタさまって、本当に兄弟なのかしら。」
「グレンさまは、優秀だけど、バタさまは、落ちこぼれ・・・。」
ひそひそ話が、聞こえてきた。
落ちこぼれ・・・落ちこぼれ・・・、なんだよ・・・。
こんなに惨めになるのは、兄のせい?!
見返してやる、そんな想いと、もとからの才能なのか、スイーツ作りに関しては、プロだと言われた。
スイーツを作ってるときは、楽しかった。
それに・・・。
「バタさまの、スイーツすごいわ。こんなの見たことない。」
みんなから期待され、幸せだった。
だが、それも、兄さんに邪魔された。
「バタ、お前には無理だ。」
どこまで人をバカにすれば、気がすむんだ。
見返してやる、見返してやりたい、でも、今の僕じゃ無理だ。
生まれ変わってやる・・・。
夜、トランクに荷物をつめ、服装も髪型も変え、メイクをし口調も変え、屋敷を出た。
今日から、落ちこぼれのダメダメバタは、終わり。
そう、今日から、暗黒パティシエ、レディー・マーガリン。
んふ、皆を不幸にしてみせるわ。
兄をグレンを越えてやるわ。
そして、出来たのは、アンハッピーバケーキ。
「あんたたち、たくさん作るわよ。」
「はい、マーガリンさま。」
んふ、待ってなさい。
私が、あんたが出来なかったことをやり遂げてみせるわ。
もう、誰にも落ちこぼれ扱いはさせない。