DreamX

□鈍感な仔
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憂夜さんが、塩谷さんの用事で一週間いない。

それだけで、寂しくなる。

いつも一緒にいて、支えてくれた憂夜さん。

憂夜さんの声、憂夜さんのにおい、憂夜さんの入れてくれるハーブティー。

当たり前にあったものがなくなるって、こんなにも辛いものなのね・・・。

憂夜さん、私、憂夜さんがいないと・・・。


「晶ちゃん、晶ちゃん。」
「あっ、なぎさママ?」

なぎさママ、いつの間に来てたんだろう。

ボーッとしてて、気づかなかったわ。

「あっ、なぎさママじゃないわよ。何度、声かけても晶ちゃん、気づいてくれないんだもの・・・。」
「ママ、本当、ごめん。」
「いいわよ、どうせ、憂夜君のこと考えてボーッとしてたんでしょ。」
「まぁ・・・。」

さすがなぎさママ、なんでもお見通しなのね。

はぁ、憂夜さん、早く帰ってこないかしら。

「晶ちゃん、今、憂夜君、早く帰ってくこいって思ってたでしょ。」

ぎくっ。

「・・・なんで・・・わかったの?」

私、そんなに分かりやすいのかな。

「あら、晶ちゃんの考えてることはお見通しよ。晶ちゃんは、憂夜君のこと、大好きなのね。」
「・・・まぁね。」
「じゃ、ライバルね。そう簡単に、憂夜君は、渡さないわよ。」

えっ、なぎさママ、なにいってるのよ。

私は、同僚として仲間として好きって意味で・・・確かに、憂夜さんがいないと寂しいけど・・・。



えっ?て顔してる晶ちゃん。

いつになったら、自分が、憂夜君に恋してるって気づくのかしら。

悔しいけど、憂夜君は、晶ちゃんに恋しててアピールしてるって言うのに気づいてないし、本当に鈍感だわ。

本当、憂夜君が可哀想すぎるわ。

可愛い晶ちゃんと、愛しの憂夜君だもの。

このあたしが、恋のキューピットになってあげようじゃない。

必死に考えてる、晶ちゃんのためにハーブティーをいれるために立ち上がった。

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