テニスの王子様

□優しい嘘
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「…嘘つきですね。仁王くんは」

「そんなことなかよ?」

仁王くんはニヤリと口元を緩めながら、私の唇を啄んだ。
ほら、こうやって誤魔化す。
私は、分かっているのですよ?
…なんて、仁王くんの身体を離せない私が言うのもなんですが。

「優しい嘘は止めて下さい。もっと、もっと酷い嘘をついてくれれば、私だって貴方を嫌いになれるのに」

「俺のこと嫌いになりたいんか?」

「えぇ、まぁ」

「じゃあなおさら優しくして、俺ナシじゃ生きれんようにしちゃる」

違う。
違うんです。
仁王くんは私の手を取りキスすると、またニヤリと嗤った。

嘘つきなのは、私だ。
涙が一粒、頬を伝った。
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