テニスの王子様
□1周年ですね
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「ねぇねぇ、丸井先輩♪」
頭上から赤也の能天気な声が聞こえる。
なんとなく赤也がご機嫌な理由も分かるが。
俺までつられて頬が緩みかけるのをどーにか堪える。
だいたい、分かりやすすぎるんだよ赤也は。
態度に出過ぎつーか…。
柳にポーカーフェイスでも教わればいいのに。
いや、そーゆー俺がポーカーフェイスかと聞かれれば何とも言えないが…
赤也よかマシだ。
「丸井先輩!ちょっと聞いてます?」
あ、返事するの忘れてた。
ま、いっか。
赤也だし。
なんて心の中で毒づきながら赤也の頭を撫でる。
「わ、わわっ…
ちょ、丸井先輩!ただでさえすごい天パなのにやめてくださいよー!」
赤也のわかめが靡く。
案外ふわふわしてて、気持ちいい。
赤也の静止の言葉を聞かず、そのまま撫で続ける。
すると、赤也が俺の手をしっかりと掴んだ。
「へへっ、まったく丸井先輩…
1年間付き合ってもまったく変わんないっすね…
もうちょい俺に優しくなるかと思ったのに」
ばーか、そんな訳ないだろぃ?
俺が赤也に優しいとかキモイっつーの。
…なんていうのは建て前で、ほんとは素直になれないだけ。
赤也に可愛く甘えたい。
もっと、愛してほしい。
…なんて、言えねぇんだけどな。
「…丸井先輩、ほんとに俺のこと好きっすか?
キスだって、俺ばっかだし…
それ以上のことも、してないし…」
赤也が寂しそうな顔をした。
ずきん、と胸が小さく痛む。
今、赤也にそんな顔させてるのは紛れもなく俺な訳で。
なんだか、申し訳なくなった。
ぐっ、と拳を握る。
そして______________。
ぐいっ
赤也の身体を引っ張る。
そのままよろけた赤也の唇に優しくキスをした。
赤也は小さく目を見開いたが、その後すぐ俺を抱き締めてもっと、と言わんばかりにキスを続けた。
やがて、唇が離れる。
俺のこと、欲情したオスの目で見てる赤也がなんだか本気で愛おしかった。
「赤也、愛してる。
…1年間、こんな俺と付き合ってくれて、ありがとう…」
最後の方は恥ずかしくて俯いてしまったが赤也は優しく笑ってくれた。
「もちろん、っすよ!
丸井先輩のこと、俺も愛してるっす。」
そう言うと赤也が抱き締める力を強くするから、たまには赤也に絆されるのも悪くない、かな?と思い、そのまま俺は目を瞑った。