テニスの王子様

□自傷症。
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あれから2ヶ月過ぎ。
 
左手の包帯は取れなかった。
なんてったって、カッターで抉り続けたからだ。
みんなには、一生消えない傷だからと説明し、包帯を許してもらっている。
本当は、すぐ消えてしまう傷だったのに、ほんとに一生傷が残ってしまったみたいだった。

「…丸井、先輩」

赤也に呼び掛けられた。
最近は、あまり話さなかったから、久しぶりな感じがして、少し嬉しかった。

「ん?どうした?」

にこにこしながら答えると、赤也は目線を下へ持って行きながら、

「…放課後、丸井先輩の時間を俺にください」

と、言われた。  





















「…んで、どうした?」

俺の真正面に立ち、おずおずと俺の目を見ながら唇を噛む赤也。
その目は、何かを考えているようだった。

「…丸井先輩の、その手、ほんとは…もう、治ってるんでしょ?
…俺、聞いちゃったんっす。
保健室の先生と、丸井先輩の会話。
『一週間もすれば治る』って言ってたのに…
どうして、そんな嘘つくんすか。
…俺達には、言えない…っすか?」

赤也の目が変わった。
それは、明らかなる決意が固められていた。

そんな目で俺を見ないで。
俺だって、怖いんだよ。 

赤也に嫌われて、軽蔑されて、疎まれて。 

そんなの、嫌なんだよ…!
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