テニスの王子様
□自傷症。
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「…たるんどるっ!」
「…えへへ」
真田に、怒られた。
理由は簡単だった。
手を怪我したからだ。
割と深めに切ったせいか、血がだらだらとだらしなく流れていた。
真田に怒られながらも、俺は内心うきうきしていた。
だって、これで一生消えない傷が出来た______________。
と、思ってたのに。
案外、傷は浅かったみたいで。
一週間もすれば治るみたいだった。
俺は、震えた。
怖かった。
何故か分からないけど、怖かった。
また消えちゃったら。
何かが、溢れてしまいそうで。
それから、俺は狂ったようにカッターを取り出し、怪我の部分を抉った。
しゅっと血が吹き出す。
その血を見て、俺は恍惚な笑みを浮かべた。
「…赤也、だいすき」
笑いながら、泣いていた。