夢小説(他武将)

□秘密(関平×関銀屏)
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翌朝、早朝から銀屏は関平の部屋にいた。
「大兄上〜、起きてよ〜」
寝起きの悪い関平の体を揺らしていた。
「銀屏、もう少し〜」
こうやって一緒にいれることが銀屏は嬉しくて堪らない。
「もう〜、大兄上ったら仕方ないな〜。ちょっとだけなら、いいよね」
銀屏は顔を赤くしながら、関平の寝ている寝台に体を潜らせていった。
関平は寝惚けているのか、銀屏の体を腕の中に抱き締めてしまった。

幼い頃はよくこうやって眠っていた。
こうして一緒に眠ると怖い夢も嫌な夢も見ないで朝まで安心して眠れた。

でも今はお互いに体も心も成長してしまった。

血の繋がりがない兄と妹だったからか、特に引き離されたような気がする。

久しぶりに体に触れると昔と違って随分逞しくなっていて、銀屏はドキドキしてしまう。

顎には少しだけ髭が生えていて、つい手を伸ばす。
チクッとした感触から、喉にそっと触れると喉仏が浮かんでいる。

ドキドキもするけれど安心感にも包まれる。
不思議な感覚。
眠っている関平の体温の高さで銀屏も少し眠くなる。
寝たらダメだ。
寝たら遠乗りに行けなくなると葛藤していたが、いつの間にか眠気に負けて関平にしがみついたまま眠ってしま
った。







銀屏が目を冷ますと青ざめた関平がのぞきこんでいた。
欠伸をしながら銀屏は背伸びをした。
「おはよう。大兄上。すごく良い夢を見たような気がする〜」
「拙者は……何もしてないな?」
「何もって何の事?」
銀屏が首を傾げて関平を見ると、青かった顔色が真っ赤になっている。
関平は銀屏の肩を強く掴んだ。
「もうこんな事するんじゃないぞ」
普段は穏和な関平が厳しい声で叱った。
「どうして怒ってるの?」
いつも甘い関平の豹変に、彼女は涙を浮かべる。
妹の涙に弱い兄はつい昔のように抱き締めて背中をさすった。
こうすれば必ず泣き止んで笑顔を見せてくれる。

しばらくそうしている間に嗚咽が治まり、笑顔が見えた。
「遠乗りに行こうよ!」

安堵した関平は銀屏を部屋から追い出して遠乗りに行くために着替えを始めた。







うっかり昼まで寝ていたために昼食をとってからの遠乗りとなった。

銀屏がどうしても一緒に乗りたいと我が儘を言うので、関平は仕方なく一緒に乗ることにした。

銀屏が前で後ろから関平が手綱を持つため、彼の腕に包まれる。

嬉しくてつい鼻歌を歌ってしまう。
関平の優しい声が耳の後ろから聞こえ
る。
「機嫌が直って良かった」
子供扱いを受けているのを感じた銀屏は何かイタズラをしてやろうと密かに考えた。
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