C the white days

□1st DEAL
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 《Open deal!》
 少し慣れてきた動作、カードをスラッシュして100万チャージする。
「真朱!ミクロ10万!」
「りょーかい!」
 《micro flation!》
システムメッセージと共にアセットがミクロを放つ。
 小さめの火球が一つ、敵の隠れている影に飛ぶ。
 「クソッ!」
人影がビルの隙間を飛び出す。相手のアントレ、柳条一はカードランクシルバーの中堅だ。
 だが、独特の固有フレーションを持つアントレと共に、特異な戦闘スタイルで有名だった。
 その戦闘スタイルというのが。
「真朱!!」
 突如真朱の頭上に出現したダイレクトに公麿は慌てて回避の指示を出す。
 が、間に合わずにダイレクトは真朱の肩口を袈裟に切り裂く。
 「きゃあッ!」
「真朱!」
真朱は少しよろめくと、大丈夫、と叫ぶ。
 そう、相手のアセットは《ルーリア》。それ自体に戦闘能力は無いが、アントレの姿を秘匿する《インビジブルソード》という能力を持っている。
 欠点は、アセットのみでの移動が出来ないことと、ダメージを受けるとステルスが一旦解けること、アントレがダイレクトを展開している間はステルスが効かないことである。割と不自由。
 なので、ディールで使用すると、突然ダイレクトを携えたアントレが出現するように見える。
 厄介なアセットである。
 そこで公麿が考えた対策が、
「ミクロ9万、九発連続だ!」
チャージした100万を使い切るフレーションを連続で小出しにする。
 そう、弾幕だ。
 うめき声をあげてのびる柳条が出現する。どうやら、一発命中したらしい。
 よし、と公麿は独りごちて、柳条に近付く。
「使った分だけ頂きますか!」
 ダイレクトで程々に切りつけるとチョコレートが舞ってタイムアップのシステムボイスが聴こえる。
 「キミマロ!」
 「真朱!」
 二人で、勝利を分かち合うようにハイタッチした。

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