10/20の日記

13:17
「カワイイ嫉妬」
---------------

会話文。沖土。




「土方さん、なあに? その首すじの、紅い "ア・ザ"」

「アザ?」

「いつ付けられたんです」

「知らねぇよ、どっかで擦ったんだろ」

「そういう跡には見えないけど?」

「じゃあ、虫にでも喰われたんじゃねえか」

「明らかに違いますよ……ソレ……。
ひどいな、今の僕にそんなものを見せびらかすだなんて」

「見せびらかす?おい、さっきから何だ。知らねぇって言ってんだろ」

「誰に付けられたの?それとも、付けて貰ったとか」

「総司、いい加減にしろよ!」

「それは僕の台詞ですね!他人につけられた"口付けの跡" を、恋人の前で平気で晒してるんだから!」

「く……口付けの跡だと?」

「そう。どう見たって」

「…………あ、」

「ほらやっぱり、心当たりあるんだ。ねぇ、いったい相手は誰なんです?」

「これ、付けた奴がわかったら、お前どうする気だ?」

「…………殺しちゃうかも」

「ったく、ガキが」

「土方さんっ!」

「はぁ〜。これはなぁ、お前が付けたんだよ」

「ごまかしたって無駄ですよ!
ここのところ僕はずっとあなたに触れてない。抱かせてくれないじゃないですかっ!一体どれだけ我慢してると思ってる!?」

「馬鹿っ、声がでけぇんだよっ」

「浮気なら、ちゃんと認めたらどうです」

「だからっ!……これは昨日、寝ぼけたお前に付けられたんだ」

「寝ぼけた…僕?」

「やっぱり覚えてねぇのか……揺すっても起きなかったしな。あれじゃ、寝首を掻かれても訳ねぇぞ」

「そういえば……昨夜は少し酔ってて、そのまま寝ちゃったみたいだけど……本当に僕が?」

「そうだよっ」

「じゃあ土方さん、僕の寝床に来たってこと?」

「お……お前がいちいちうるせぇから行ってみりゃ……先に熟睡しやがって」

「…………」

「ってぇ事だ、わかったか!」

「土方さん、寝てる僕に何かしました?」

「あ?ゆ、揺すって、起こそうとしただけだが」

「ふぅん……それだけで、口付けの跡なんて付けるかな」

「なんだ、その顔は………う、うわっ!は、離せ、総司!」

「残念。せっかく抱かれに来てくれたっていうのに」

「ち、違っ」

「ごめんなさい、疑っちゃって」

「………わかりゃ、それでいい」

「でも、もしも土方さんに手を出した男がいたとしたら……殺しちゃう、っていうのは本当ですからね」

「……女ならいいのか?」

「土方さんっ!」

「冗談だよ……ったく。まぁ、お前なら女でもやりかねねぇか。
おい総司、よく覚えとけ」

「なあに?」

「お前以外の奴なんざ、まっぴら御免なんだよ」

「それ、本当?」

「俺が、こういう時に嘘ついたことがあるか?」

「ううん、無い」

「……そういう……事だ」


「好き……大好き、土方さん…………」
カテゴリ: 会話文

前へ|次へ

日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ