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□紅い鬼
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意識が朦朧とする

体には無数の傷痕

その傷痕から流れ出る真っ赤な血


「………」


女は立っているのが精一杯だった

そんな女を取り囲む天人たち



今の自分に与えられた選択は三つ

自分のやるべきことを考えるか
意識を失うか
死ぬか

三つ目の選択肢は、一番楽なことに思えた



だが、今死ぬ訳にはいかない


「っ―――」


女は歩み出した


「……ま、だ」


女は刀を握り直し、走り出した


「邪魔だぁぁぁぁぁぁあ!!!」



今、自分にはやるべき事がある


仲間を護らなくてはいけない

世界を護らなくてはいけない

仲間の笑顔を取り戻さなければならない



「っ!!」


今更ムダな事だと分かってる

手遅れだと分かってる


視界が霞む

頬が濡れる


「――畜生ぉぉぉぉぉお!!!」


無力な自分に苛立つ



なぜ大切な人を護れないのだろう――



もし、生まれ変わることが出来るのなら――――。



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