夢色*長
□桜色の勿忘草A
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時は現代
機械化社会となり、世界のほぼ全てが機械となった時代
それでも変わらぬものがある
桜色に染まる
そんな空の下を歩く
「今年もキレイに咲いたね」
少女・土方三四は桜を見上げた
「ほんとにキレイだな」
少年・土方十四郎も桜を見上げた
彼らは双子の兄妹
今日から高校へ入学する
新しい生活を始めるのだった
そんな晴れやかな日に、少し顔を曇らせる二人
「……“アイツ”に会えるかな…」
「…さぁな……」
二人は生まれ落ちたその日から、ずっと“アイツ”を探していた