夢色*長
□桜色の勿忘草
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桜が舞散る
舞散った桜は縁側を越し、部屋へと舞い込む
やがて桜は二人の元へと落ちる
「……桜だね…」
紫の着物を着た女は花弁を拾い上げる
女は布団へ横になっている男に笑い掛ける
男は全く動かない
ただ、天井を見つめる
そんな彼の瞳には光など宿っていない
「………」
女は悲しげに笑った
「……きっと…来世では、“アイツ”と桜を見れるさ…」
そっと彼の頭を撫でる
「“アイツ”との“約束”でしょ?」
きっと生まれ変わったら“アイツ”を探し出すから……