□虹色の彼方  Z
1ページ/3ページ





日差しが眩しく、運動するには絶好の今日この頃である。

奴らは、練習所の裏手にある森の入り口にいた












「跡部…ありえへんやろ…なんで森の中に行かなあかんねん」


「そうだぜ!くそくそテニスするんじゃねーのかよ!」


「う〜眠いC〜暑いC〜…」


「ジローうるせぇぞ」


「宍戸さん?すごい汗ですよ!」


「樺地…大丈夫か?」


「ウッス」











皆がグダグダ言っていると、跡部が眉毛をひそめながら腕組をし、怒鳴るように言った











「てめぇーら!少しは、静かにできねぇのか!」


「氷帝の奴らうるさいやー。こんな暑さどおってことないやっしー」


「しょうがねぇよ凛。本土の奴は、軟弱さー」


「そうですね。しかし…なぜ、知念くんと田仁志くんはこんなにもへばっているんですか?」


「「ぐたーーーー」」


「情けねぇやー!なにやってるんばー!早く立て」











比嘉中3人がかりで、知念と田仁志を起き上がらせようとしている時、皆が泊まっている合宿所の方から声が響いてくる










「ごめーーーん!!色々用意してたから遅れちゃった!」










瑠々の一言に、皆が目をギラギラさせながら大きな声を上げる











『色々用意!!??』


「うへぇ!なっなななななに!言っておくけど、ドリンクとかタオルとかのことだからね!?」




「期待しちまったじゃねぇか」


「何の?!」


「瑠々と色々できると思ったんやけど」


「イヤッだからなに!?」


「ちぇーつまらないC〜」


「えーーーー!つまらないってなんなの!?」







跡部と忍足とジローへの突っ込みに疲れてきた瑠々に岳人が親指を立てながら言う











「瑠々!気にするな!」


「ありがとう…癒されるよ…」










まぁなにはともあれ、森の中へと出発した皆様なのです。
少し進むと、木々に囲まれ風が吹き抜ける











「涼しいねぇみんな〜」


「そうだなぁ…んで跡部?なんで森の中を歩かなきゃいけないばぁ?」


「そうだな面倒くせぇ」


「宍戸さんタオル使います?」


「あ〜ん?俺様が言いだしっぺだとでも思ってんのか?ちぜーぞ瑠々だ」











跡部の言葉に瑠々は申し訳なさそうに言葉を発する











「ごめん!昨日、テレビで<瑠々の部屋のみ設置されている>今日はすっごく熱いって…だから森の中で練習できたらなって思って監督に相談したら、森での練習メニューを一緒に考えてくれて…何も言わずにごめん…」

「気にしないで下さい…皆さんはどうであれ、俺は好きですよ」


「永四郎様♡うん!私も好き」









木手の言葉に、何の迷いもなく好きと返す瑠々に慌てたように2人の間に割り込みながら凛は言う












「ちょっちょっと!どういう事さー!!!!わんも好きあんに!」


「?凛はさっき嫌そうな顔してたじゃん!」


「何言ってるさー!好きに決まってるあんに!」


「わっわかったよ〜そんなに力入れなくても!」











この2人のやり取りを見た木手は考えていた。もしかすると平古場は、さっきの好き「森が好き!」ではなく「永四郎が好き!」と勘違いしているのでは?とその時、後ろの方から声がする










「そんなのどうでもイイC〜…瑠々!こっちで一緒に行こう!」


「わっ!ジロー!!」


「!?チッ氷帝!」


「…誤解されたままで、いいですね」









少し嫌み笑いをした木手に気づくものは、いなかった。そして皆が森の中央に着いた。すると、そこは絶景だったのだ。瑠々は一人走り出し、一番景色のいいところに立つと目を輝かせた











「うわぁ!キレーィ♡ねぇねぇみんな!綺麗だね♡」









皆に向けてにっこりと笑顔でそう言った。すると、いつもの如く皆は赤面する










「コホン///ちゅ、昼食にするぞ//樺地」


「ウ…ウス」











と、樺地に指示を出す。その指示に従い座る場所、お皿、食べる物を出した。皆席に着き、もちろん席着きもただでは、終わらない…ジャンケンをし誰が瑠々の隣に座るかを決めた。今回は、忍足と甲斐が勝った。二人以外の皆は不服だ











「チッ…食うぞ」










不機嫌そうな跡部の声で、昼食開始の合図が出された











「もぐもぐ…ん〜♡樺地!最高です!もーお嫁さんに欲しいくらい」


「ウ///ウッs『ダメに決まってるだろー』



「……皆…そんなに////」


『…(そう、お前を嫁にもらうのは俺(僕)(わん)なんだ)』


「そんなに、樺地をお嫁さんにしたかったの//これってあれかしらね樺地!!BL!!dreamなのに!!私が主人公にも関わらず、樺地を取り合うのね//キャー♡BLに移転しちゃうのかしらぁ///」


『……………ええぇぇ!!!』










主人公とは、思えない発言に驚きと動揺が隠せない男共である










「……嘘に決まってるじゃん…騙されちゃってもぉ!可愛いなぁ♡私これでも主人公だからね!!皆に愛されるのは、私なの♡」


『////(…いやしかし…少し本気が入っていたような…)』










少し本気が入っていたことは、瑠々と管理人である自分しか知らないことである。そして、昼食を終え、満腹になった瑠々がある事を言った


「ねぇ…お腹いっぱいになったことだし…ここで、ここに来た目的を話そうかな…実はね、この森広いでしょ?だから探検したいんだ!!!」


『……はぁ?』


「ちょっ瑠々!暑いからこの森に来たんじゃないんばぁー!?」


「それもあるんだけどぉ…榊ちゃんがねぇ、森に行きたければ、森の中の自然でテニスの練習をしてこい!練習メニューは、こちらで用意する。行ってよし!って言ったからぁ…ねっ!お願いします!榊ちゃんにお仕置きされちゃいよぉ♡」


『(!!!!!お仕置き!!絶対にさせねぇぞ榊!!!!)やる!絶対やるぞ』


「本当♡ワーイありがとぅ♡みんな大好き」











ブフッという声が聞こえたと共に、鼻血が男共の鼻から吹き出た 











「くっ…る、瑠々。その練習メニューは、どこだ?」


「ん、はい!てか大丈夫?」


「平気だ///俺様を誰だと思ってる…跡部景吾だぞ」









説得力のない真っ赤な顔をして言った。そしてその練習メニューを見た跡部が、中心となってそれぞれに指示を出し、皆それぞれに練習を始めた











「…つまんないなぁこうなると…私は、森を探検しよう!ふんふん♪」










瑠々は、鼻歌なんぞ歌いながら、森の中へと入っていった。その頃瑠々を独り占めしようと瑠々が居た場所へかけてきた男がいた。だが、森に探索に行ってしまった為そこにはいない。その男は











「…おかしいですね…何故居ないんでしょう」










木手である。瑠々が居ない事にいち早く気がついたのがこいつだ











「まさか…1人で森の中に!バカな…瑠々!平古場君、甲斐君、瑠々を探しに行きますよ」


「えっ?瑠々が居ないばー!?じゅんにか!永四郎!」


「木手!凛!今すぐ探しに行くぞ!!」










そんな事になっているとは、知れず…










「あーこの花可愛い♡もって帰りたいけど可哀想だしなぁ…見るだけにしとこ」










暢気に花なんぞ見ていた…。なんていう主人公なのだろうか…










 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ