tusk

□年下の彼
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「…、ぁ、ねぇ」

うずくまる少年に手をかける
彼はパチリと目を開けた
初対面のはずのその顔が僕を見るなり悔しそうに睨みつけた
すぐに落とした視線を追って、彼の表情の殆どを隠す

12、3歳程だろうか



「どうしたっ!」

マネージャーが遅れた僕を心配して戻って来た



唇から血を流した少年に手をかける僕
何だかとっさに首を振った

「あ、…いや、」

「テミナ、まさか」
「いや、コイツがっ、、」


すると少年はマネージャーにニコリと微笑み、僕の手を握った
それから腰に手を回し左右に揺らした


「良かったぁあ、会えて」
「は、はぃ?」

少年は尚も僕に絡みついてくる

「待てないで来ちゃったよ!」

「テミナ、その子…」

マネージャーの不思議そうな顔


「ぁ、だから…」

「初めましてマネージャーさん
僕、テミンおじさんとは遠い親戚で」

「親戚!?!」

僕が大声を出すと少年はクルっとマネージャーに背を向けて、僕の前に立った

鳥肌の立つような冷たい目
そのクチが

「合わせろバカ」

そう
動いた





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