シリーズ

□ある一つの可能性
1ページ/6ページ


「げげげげげげげ!!」

「ぎゃあああああ!!」

 クリスマスの早朝というかまだ真夜中、違和感を感じて目を覚ますと私は袋の中に詰め込まれていた。

 言彦に。

「な、なな、何してんだ言彦ッ!?」

 言彦が全体的に赤いから、「こいつ、ついに大量に殺らかした……!?」だなんて思ったが、よく見るとそれはサンタクロースの格好をしているだけだった。致命的に似合わない。角が全てを物語っていた。

 言彦は自慢げに言う。

「クリスマスだからな」

「クリスマスが何なのか説明してみろ!」

「サンタクロースの格好をして、欲しいものを強奪するイベントだ!知らなかったのか?げげげ、無知な奴め」

「そんなエゴったクリスマス知らない!何一つとして合ってないし!」

 あたかも自分が正しいみたいにどや顔しやがって!

「いいか?クリスマスっていうのは、サンタクロースってメタボのじいさんの格好をして、煙突から不法侵入する行事だぞ?」

「それはおかしい」
 
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ