シリーズ
□ある一つの可能性
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「げげげげげげげ!!」
「ぎゃあああああ!!」
クリスマスの早朝というかまだ真夜中、違和感を感じて目を覚ますと私は袋の中に詰め込まれていた。
言彦に。
「な、なな、何してんだ言彦ッ!?」
言彦が全体的に赤いから、「こいつ、ついに大量に殺らかした……!?」だなんて思ったが、よく見るとそれはサンタクロースの格好をしているだけだった。致命的に似合わない。角が全てを物語っていた。
言彦は自慢げに言う。
「クリスマスだからな」
「クリスマスが何なのか説明してみろ!」
「サンタクロースの格好をして、欲しいものを強奪するイベントだ!知らなかったのか?げげげ、無知な奴め」
「そんなエゴったクリスマス知らない!何一つとして合ってないし!」
あたかも自分が正しいみたいにどや顔しやがって!
「いいか?クリスマスっていうのは、サンタクロースってメタボのじいさんの格好をして、煙突から不法侵入する行事だぞ?」
「それはおかしい」