シリーズ

□好きだから
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 飛び降りた先の大通りは無人、そこには誰もいなかった。人一人いない。

「……おかしいな、この時間帯にいないはずが……」

 その呟きはもっともだ。私だって、これはおかしいと思う。

 ここは近くにマンションも立っているし、道路も広い。夜中の三時とかならまだしも、こんな昼間に誰もいないだなんて。

 再び走り出したことで揺られながらも、いくらか可能性を考える。

「まさか……既に「攻撃」を受けている……?」

 思い当たった可能性はそれだった。相手は私と同じタイプ、スキルなんていくらでも持っているに決まっている。でも、だとしたら一体いつから……こいつが助けてくれた時はまだだったはずだ。

「かもしれない……けど、だからって立ち止まれない!あいつは追ってきているんだ」

 後ろを見なくても分かった。「近くにいる」。気配を感じているわけでもないのに、私はそう感じた。

 何かは分からないが、何らかの罠を仕掛けているのには間違いない。こいつの体力が尽きる前に、どうにか……!
 
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