シリーズ

□まいった
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「で、姉ちゃん」

 現在、クエストが始まったところだ。言彦にはもう武器の扱い方を名前が「ボタンの配置」だけ教えてた。まあ、大丈夫だろう。

 それで、ようやく名前に話しかけることの出来た私は単刀直入に尋ねた。

「何でぷよぷよで十秒台KOされるようなことになったんだよ」

 自爆したとしか思えない。名前は人並みよりは上くらいの実力だから、自爆は流石にないと思うけど、でも時間が自爆を暗示している。

 すると、名前は顔をひきつらせた。

「うっ……そ、それは……その、」

 ますます自爆のような気がしてきた。自爆なら自爆と言ってしまえばいいのに。操作ミスで×印の下にすぐ落としてしまうことは、結構ありそうでない。……あ、これじゃフォローできてないじゃん。

 結局のところはどうなんだと口を開きかけたところで、言彦が言う。

「なんか知らんが、名前が設定を弄っておったわ」

 ガチャンッ。

 私は思わずPSPをちゃぶ台の上に落っことした。PSPを掴んだ手は、僅かに震えている。

「ほう、こやつがレウス……」

「姉ちゃん、まさか……すぐに決着つけようって魂胆でルール弄って、自分の首絞めたなんてことは──」

「………」

「あるみたいだな……全く、だから姉ちゃんは馬鹿なんだよ!どーせ!また危なっかしい積み方してたんだろ!どーせ!」

「けっ、消したら!消したらな!六連鎖は行ってたぞッ!消したら!」

「それが、消せる状態だったならね……」

「少し消しただけでお邪魔ぷよが大量に降るようにレートを極端に変更して、言彦がよくも悪くもいいタイミングで一連鎖したから、積んでた上に降ってきて──」

「皆まで言うなァーッ」

 折角の説明を遮られたけど、つまりあれだ。遠回りな自爆で名前は親権(?)を言彦に渡してしまった。

「このバカ!このHがッ!」

 入ったエリアで見つけた名前のキャラに竜撃砲(ランスの先っぽから出る)を撃ち込んでやった。

 名前の馬鹿さ加減には、本っ当に参ったよ!
 
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