シリーズ
□まいった
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名前と言彦が仲良く喋っている。
「ところで、何故こやつはぬいぐるみを背負っておるのだ」
「ああ、武器だからかな。ちなみにそれはハンマーだ。睡眠属性がついてる」
「新しい!ぬいぐるみがまさか鈍器になるとはな!」
名前と言彦 は 仲良く喋っている。
「武器を変えたいのだが」
「えっとそこの箪笥に近付いて、ああ、そこで、そう、レウス──リオレウスは雷が効くからその属性の武器好きなの選んで、まあ、そうだな。ハンマーが妥当か」
僕と幻実は仲良く喋るどころじゃない。
「で、防具は、レウスが火吐くから炎耐性の付いてるやつだぞ。……ふん、ラングロ装備なら、まあ……で、うーん……、幻実くん!装飾品とか別にいいよな、マイナススキルないし、付け替えなくて」
「いーよいーよ、私と錯悟で余裕だから。あっはは」
全然大丈夫じゃないよ幻実。死にかけだよ。今にもショック死しそう。
突然名前に尋ねられた幻実は一緒だけ生き返ったけれど、すぐに魂が口から抜け出た。
……まさか、スキルか何かが発現したなんてことは……流石にないか。
「了解。……で、こっちでアイテムを……」
「回復薬などいらんわ」
「それは死亡フラグだぞ言彦」
「げっげっげっげっげ!何だか知らんがこの言彦が壊してくれる!」
「いや!何でもない!何でもなかったから忘れろ言彦!なあ錯悟くん」
「!ああ……そうだね」
……今、一瞬名前が前みたいに笑った。ような気がした。
けれど、それは本当に気のせいだったようだ。「あーん?」と言いたげな様子で名前は僕を勢いよく指差した。
「そこはウスだろッ!」
「あー……納得したよ。俺様なところが完全に一致してる……」
でも圧倒的に身長が足りない。