…SEED&ボカロ…小説
□白き十字架の元に
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『次のニュースです。昨夜未明…』
華やかに栄える大きな街の象徴ともいえる、大きなTV。
アスランのクリスマスプレゼントを買いに僕は街に出ていた。
「…アスランて…何が好き何だろ…」
アスランが貰って嬉しい物は何か…今まであまり考えた事がない。
「…思い起こせば…小さい頃から僕はアスランに貰ってばかりじゃないか…」
勉強を教えて貰って、課題を手伝って貰って、トリィを貰って…。それじゃ僕は…彼に何をあげた?
「あ〜あ、コレじゃ駄目だ。今回は今までのお礼も兼ねて、アスランが喜んで、僕の心のこもった良いモノをあげよう」
…そう考えると益々何を買えばいいのかわからなくなる。
アスランは何が好きなのか…全てそこに考えが戻ってしまう。
『…只今、新しいニュースが入りました』
コーヒーカップを手にしていると、臨時ニュースが耳に入ってくる。
『え〜……本日、夕方6時頃、オノゴロ島にて、大きな爆発が起こり、火災が発生しました』
「嘘…?!」
僕は思わず手にしていたカップを床に落としてしまった。
『現在、火の手は収まりつつありますが消火活動は続いていらす』
「け……怪我は…?怪我人は?!アスランは?!」
問いても、返事が返ってくるはずのないTVに向かって僕は叫んだ。
『怪我人は数名やけど等の軽症。この爆発、火災による死者は出ていない模様です』
「あ……よかった」
僕はホッとして床にしゃがみ込んだ。
「あ……しまった……。カップ壊しちゃった…」
お店の人に謝り、僕はカップのお金を払って店を後にした。
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アーミーニ