ふたりの碧い想い

□第1章 紫色の謀り
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その日のアスハ邸の朝食は静かだった。

アスランとカガリは一緒にテーブルについていたが、一言も話さない。

マーナは何かあったのだろうかと心配になる。
昨日、二人は仲睦まじく夜の散歩に出掛けたのに、帰ってきてからは様子がおかしかった。

家を出る時間になっても無言のまま。

二人が代表の送迎車の後部座席に座った後も空気は重く、カガリは沈黙に耐えかねていた。

アスランが口を開く。
「今日、」

カガリはビクリと肩を揺らす。

それを見たアスランは目を合わせずに、カガリの手に自分の手を重ねた。
「予算関係の会議が、入ってたな。」

アスランの手の温もりで、カガリは少し心が和らぐ。
「いつもの長ーくなる、あの会議だ。」

アスランが少し笑った。
「うん、あの会議は長い。会議場の外で立ってる警護はみんなあくびをかみ殺してる。」

カガリは指と指を絡めてきた。
「アレックスもか?」

アスランはカガリの方を見る。
「あぁ、オレもだ。」

カガリは少し微笑んだ。
「一日がかりの会議だ。少しぐらいなら抜けても大丈夫だぞ?」
チラリとアスランを見たが、視線を足元に戻してしまう。

「カガリ。」
視線を合わせようとしないカガリに、アスランは少し詰め寄った。
「いつでもいい、昨日の話を聞かせて欲しい。」

「・・・うん。」
カガリは頷いたが、アスランを見てはくれない。
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