ふたりの夏やすみ

□第6章 おもちゃショー当日
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キラ、アスランとお手伝いさんの三人は、おもちゃショーにやってきた。

建物の2階が会場の入り口になっていた。三人は入場の列に並ぶ。

お手伝いさんが心配そうに聞いた。
「本当に一般入場でよろしいんですか?貴賓招待枠を使った方が、アスラン様の身の安全が確保されますが・・・。」

アスランは申し訳なさそうに言う。
「わがまま言って、すみません。今日は普通に入らせてください。」

これから騒ぎを起こすのに、アスラン・ザラの名前を入場履歴に残したくない。

キラが笑って言う。
「偉い人って狙われてる人とかいるんでしょ、貴賓室の方が危ないかも知れないよ?」

キラは何をするつもりなんだろう?結局アスランは詳しい作戦を教えてもらえなかった。
『だって作戦教えたらアスラン嫌がりそうだし・・・楽しみは取っておかなくちゃ。』
キラの言っていた言葉がだんだんアスランの不安を大きくする。

会場に入ると、1階につながる階段の踊り場に出た。
階段の下におもちゃショーの会場が広がっていた。
高いふき抜け天井の大きな会場に何万人もの人が訪れていた。おもちゃショーなだけに、子供もたくさんいる。
トライエイジファンなのか、変身ゴーグルを付けている子や、ハロを持っている子が凄く多い。

アスランはお手伝いさんに聞いた。
「貴賓室ってどの辺りですか?」

「あそこの3階のガラス張りの部屋ですよ。」

見上げると、アスランたちがいるところの真正面、ふき抜けの天井付近の3階にガラス張りの部屋がある。

アスランとキラは、カナリアが貴賓室に居る可能性も考えていた。地球や月を連れまわすなんて、カナリアを連れまわしている人はお金持ちなのかもしれない。

一方キラは、会場に出展しているブースを見ていた。
「トライエイジ・バイクが出てる!」
おもちゃのバイクに乗せてくれる子供用アトラクションだ。溝に沿ってバイクが走る仕組みになっている。

あれって、本物のバイクだ!操作を簡単な仕組みにして、子供用サイズにしただけ。速度制限はありそうだけど、かなり早い。
溝を走る仕組みは後付けだね。子供用の安全策かな?とにかく、溝が無くても・・・
「普通に床を走りそう。」

キラはいたずらっぽく笑った。
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