約束が終わるとき

□第4章 悪だくみ
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お昼休みのパソコンルームは空いていて、生徒が数人いるだけだった。

4人は教室後方の席に陣取る。
アスランがパソコンを起動した。
「何を調べればいいんだ?」

ラクスはパソコン画面を覗き込む。
「うちの学園の奨学生について知りたいのです」

アスランは『奨学生』でネットワークに検索をかけた。
学園のコミュニティ掲示板などから、何軒か検索に引っかかる。

奨学生と思われる生徒の情報を見たラクスがポソリとつぶやく。
「やはり、新入生の奨学生は女子生徒ばかりですね」

カガリが表情を曇らせた。
「やはりって・・・どういうことだ?ラクス」

ラクスは申し訳なさそうにカガリを見つめる。
「カガリさんは成績優秀者を集めた文系の1組ですから、奨学生の中でも成績上位であることは間違いありません、実力で奨学生の条件を満たしていますわ。でも・・・」

アスランが更に検索情報を絞り込んでいく。
「確かに成績十分とはいえない生徒も奨学金をもらっているみたいだな。これ、セイランがやっているのか?」

カガリは驚いてアスランを見た。

「セイランさんの仕業でしょうね・・・証拠が必要です」
ラクスはたいしたことでも無い様にさらりと言い放った。
「アスラン、3年前のように管理者IDで学園内のネットワークに入ってください」

アスランはばっさりと断る。
「却下だ。危険すぎる。まっ昼間からどこに侵入しようというんだ。だいたい管理者のパスワードが3年前と同じとは思えない」

カガリとキラは目をまん丸にして二人の会話を聞いていた。
どうやら3年前にふたりは学園のネットワークに不正侵入をはたらいたようだ。

「昼間だから良いのです。夜、学園に侵入するよりリスクは低いでしょう。それは3年前アスランが身をもって知ったのでは?」

アスランが渋い顔になる。
(ばれたら3年前みたいに、クライン家の力で揉み消すつもりか?)

カガリは3年前アスランに何があったのか気になった。
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