プロポーズを君に

□第6章 ムウ・ラ・フラガ
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5月13日、悲劇の5日前、オーブのフラガ大佐執務室。

ムウはにやけた顔でモニターを見つめている。

マリューが気軽にムウの執務室へ入ってきた。
「顔がゆるんでいるけれど、なに見てるの?」

「あれ?ノックした?」
ムウはバタバタとあわてて閲覧画面を閉じる。

その様子を見たマリューが瞳を細めてデスクに近づいてきた。
「なーにやってたのかしらぁ?まだ執務時間内ですよフラガ大佐」
首をかしげてパソコン画面を覗き込む。

挙動不審なムウが作り笑いをする。
「いや、ちょっと、息抜き息抜き」

マリューはムウを押しのけるように、彼の椅子のひじ置きに座る。
「ふうん。何をして息抜き?」

彼女はすばやくパソコンを操作して、最後にフラガが行っていた作業を復刻する。
さすが元エンジニア、端末操作が早い。

「ちょっと、やめ・・・!」
ムウは止めようとしたが、自分の前に乗り上げるように座るマリューが邪魔で止められなかった。

パソコン画面にムウがバルトフェルトから教えてもらったサイトが展開していく。

ムウはしまったという顔つきで、目を片手で覆った。

画面を見るマリューは少し頬を高潮させて、パソコンの履歴をさかのぼっていく。
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