ミモザの咲く頃に

□第8章 ガンダムファイト
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本部ブースの司会係は上機嫌。
《アスハ代表、本日は解説をよろしくお願いします!》

困ったようなカガリの声が会場に流れる。
《いや、私はココにくればジャステイスとグフの通信が拾えると聞いてだな・・・》

代表がモビルスーツ間の通信を聞きたがっている事を知った通信班が、インカムをカガリに持ってきた。

解説を頼まれて戸惑う代表にお構いなく、中継を続ける司会係。
《どうです?ジャスティスとグフ、どちらが優位ですか?》

《え?あぁ・・・そうだな、本来ならジャスティスの方が圧倒的に性能が上なんだが、翼を外しているから大分機動力は落ちるだろう。あと、今日はギャラリーが多いせいか、両者飛び道具は外しているようだ。》

《と、いう事は?》

《この試合、接近戦になる。遠距離の空中戦よりも、グフにとってはありがたいのではないかな。》

ノリノリの司会係。
《なるほど!流石は両パイロットとともに前線に立った事のあるアスハ代表のお言葉ですね。》

《だが勝負はわからないぞ。ザラ准将はジャスティスに久しく乗っていない。彼が接近戦の名手とはいえ、ジュール隊長に苦戦するかもしれない。》

《アスハ代表はザラ准将やジュール隊長とお親しいんですか?》

カガリはその質問には答えなかった。
《・・・パイロットがお待ちかねだ。私が号令を出していいのか?》

代表に迫力のある視線でひと睨みされて、司会係は声がつっかえる。
《はっはい、お願いします。》

映像記録班のカメラがアスハ代表に寄った。
会場の複数の大型モニターにカガリのアップが映し出される。

《ザラ准将、ジュール隊長、全力で行け!》
カガリがマイクを持って立ち上がった。
《一本勝負・・・ready・・・go !!》

「はぁぁぁっ!」
カガリの掛け声とともに飛び出したのはイザーク。
走るのではなく、ジェット噴射による推進。
地面をすべるようにジャスティスの元に飛び込む。

「ジェット推進!?」
グフが地上戦仕様だと思っていたアスランは驚いて対応が遅れる。
一歩後ろに下がりながら盾でグフの一太刀目を受ける。

グフはジャスティスの横に飛んでサイドから二太刀目を振りおろす。
ジャスティスはそれをビームサーベルで受け止めた。

司会が叫ぶ。
《先手はグフ!ジャスティス防戦一方!》
《翼がないジャスティスより、空中戦仕様のグフの方が動きがいいか!?》
カガリも声が大きくなる。
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