生まれてきた理由

□第2章 不可解な動画
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自宅でパソコン画面を見つめるキラは、難しい顔をしていた。

(これって、いったい何なんだろう。)
パソコン画面にはセキュリティシステムの警告が表示されている。

横から覗き込んだラクスがキラの肩に手を置いた。
「警告?ウイルスでしょうか?」

「どうかな。よくわからないんだ。」
肩に置かれたラクスの手に自分の手を重ね、キラは身体を椅子の背もたれに沈める。

ラクスは瞬きしてキラを見つめた。
「キラにもコンピューターでわからない事があるんですのね?」

キラは自分の真横にいるラクスの瞳をのぞく。
「そりゃ、いっぱいあるよ?今来た、このメールもよくわからないんだ。添付ファイルのみ、中身の文章は無し。普通ならセキュリティが自動で進入をブロックするはずなんだ。」

「なのにブロックされず、キラの手元に届いた・・・確かに不思議ですわね。知らないアドレスから送信されてきたのでしょう?」

キラは考え込んでいる。
「・・・そこがまた気持ち悪いんだ。知らないアドレスだと思うんだけど・・・なんか見たことあるような気がするんだ。怪しさ満載、怖くてメール開けないよ。」

「気になるのでしたら、オフラインで開いてみては?」
「ウイルスだったら、パソコンを一台駄目にしちゃうかもしれないよ?」

「構いませんわ。それでキラの不安がひとつ減るのでしたら。」
ラクスは外付けのメモリをパソコンに差し込んだ。

キラは自分の肩に置かれたラクスの手に頬を寄せ、チョット考えてから、外付けメモリに怪メールの添付ファイルを移動させた。

古いパソコンを引っ張り出してきて、外付けメモリを接続する。
「さあ、何が出てくるのかな?」

キラは添付ファイルを開く。
それは動画のファイルだった。
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