さくら花舞う下で

□第2章 デュランダルの思惑
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アスランはふと、中学の時に一度だけ会ったキラの妹を思い出す。
「カガリちゃんも元気な感じの子だったな。彼女、今どうしてる?」

キラの表情が硬くなる。
「うん、兄の欲目かも知れないけれどキレイになったよ・・・アスラン、一度しか会ってないのによくカガリの事を覚えてるね。」

アスランは少し遠い目。
「印象に残る子だったからな。」
思い出すのは花舞う春、ひるがえるスカートからのぞくライムグリーン。

キラが何か言いたげな視線を送る。
「それだけ?」

アスランは意味深な視線を送ってきたキラを不思議そうに見た。
「それだけって、他に何があるって言うんだ。」

「別に・・・。アスランは付き合っている子いないんだよね?じゃぁ番組でいい子に会えるかもしれないよ。」

アスランの表情が再び曇る。
「そんな事ありえないだろ。」

子供のころから散々女の子に追い回されて、アスランは女性というものに期待を持てなくなっていた。
「・・・内定取り消されるのは嫌だし、どうやって女性を回避すればいいのか考えなきゃ。」

「女の子が皆、騒がしく追いかけてくる訳じゃないよアスラン。いい子もいるってば。」
「ラクスみたいにって言いたいのか?よくそんな期待を持てるな。」

キラは愛想がよかったので追っかけ女子も多く・・・結果アスランより、色々ひどい目にあっている。
画面の向こうの清楚なアイドルに期待を持ってしまうのも、少し頷けた。

アスランはひとつため息をつく。
「テレビが来るのは、いつぐらいになるんだろう。」

「スタッフの人が電話で、2週間後って言ってた。」
「早い!あっという間じゃないか。」

「そうだね・・・」
キラは家にこもりきりの家族を、なんと言って説得するか考えていた。
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