僕と彼女と紫水晶

□第7章 ファーストタッチ
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ウォータージェット銃のブースから出た時、キラを見失う。
会場中を走り回って探すアスラン。

(いたっ、キラだ!!!)
少し離れたところに姿を見つける。

何万人もの来場者がいる中、そこだけ光があたった様に、その姿はアスランの目に飛び込んできた。

金の髪、白いワンピース。

アスランは走り寄ってタックルをかけた。
ガッシリ後ろから押さえ込むように抱き着く。
アスランの手は、ワンピース越しに胸をつかんだ。
(えっ?)

その感触にアスランの頭が真っ白になる。
大きさはささやかなものだった。
でも手のひらに伝わる柔らかさは、世界中の男の夢が詰まっている様に、素晴らしい。

「・・・胸に何か詰めてるのか?」
「本物だっ、放せバカヤロウ!!!」

女の子渾身の肘鉄がアスランの側頭部に入った。
「!!!」
アスランの目前に火花が散る。
身体はよろめいて、近くにあったオモチャの棚に突っ込んだ。

女の子は琥珀を潤ませて、小さく泣きながら走り去っていく。

大量のオモチャが頭に落ちてきたアスランは、浅くなっていく意識の中でつぶやいた。
「まさか、本物のカナリア・・・?」
崩れて山になったオモチャの箱に埋もれてアスランは気を失った。
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