ふたりの碧い想い
□第2章 西の洞窟
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会議室前、空気は淀んでいた。
予想通り会議は長い。
お偉方の付き人達は数人を会議室前に残し、各々の仕事に戻っていった。
『少しぐらいなら抜けても大丈夫だぞ』
カガリの言葉を思い出す。
アスランはその場を離れた。
休憩室は人もまばらだった。
ここには数台、共用のパソコンが置いてある。
アスランは調べ物をはじめた。
〈オーブ 西海岸 洞窟〉
検索をかける。
そこは観光スポットであることが分かった。
持ち主はオーブの氏族。
奥に入れば、ハウメアの護り石の原石も採掘できるらしい。
『洞窟が氏族の持ちものなら、カガリやユウナの庭みたいなものか。』
ユウナのテリトリーに入るというのは、なんとなく気味が悪い。
何を企んでいるのか不安になってきた。
とはいえ、逆らう訳にはいかない。
ユウナは失礼な奴だが、セイラン家にアレックスの文句をこれ以上言われたくない。
それを悲しむのはカガリなのだから。
アスランは前髪をかき上げ、悩みながら作戦を練る。
『何が必要だ?ロープ、ヘッドライト・・・』
原石発掘なら
『ピッケル、ハンマー・・・』
ユウナに何かされるかも
『サバイバルナイフ、銃も一応、暗視スコープは?』