ふたりの碧い想い
□第1章 紫色の謀り
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アスランは困り顔。
どうやらユウナに難癖つけられた様だ。
カガリを巻き込まずに、自分だけで何とかしたい。
できるだろうか?
こんなとき、自分を情けなく思う。
赤服を着ていた頃の自分は信念に揺るぎ無く、何か困ったことがあっても、次に自分が何をするべきかすぐに思いついた。
でもそれは今にして思えば、ザラ家という後ろ盾があったからこそできた事も、多かった気がする。
『あの頃は、自分の力だけで何とかしている気になっていた。』
地位も無く、確固たる立場も無く、本当の名前も名乗れない。
自分はただのボディガード、アレックス。
本当に自分の力だけでやっていかなくてはならなくなった今は、迷う事だらけだ。
だけど、カガリが居てくれれば、それ以外何もいらないじゃないか。裏付けのないプライドなんて捨ててしまえばいい。
『でも、カガリはオレだけのモノじゃない。』
昨日のカガリの泣きそうな顔が浮かんできた。
アスランはうつむく。
前髪が、うるさい。
(第2章へつづく)