ふたりの碧い想い

□第1章 紫色の謀り
3ページ/3ページ

アスランは困り顔。
どうやらユウナに難癖つけられた様だ。
カガリを巻き込まずに、自分だけで何とかしたい。
できるだろうか?

こんなとき、自分を情けなく思う。

赤服を着ていた頃の自分は信念に揺るぎ無く、何か困ったことがあっても、次に自分が何をするべきかすぐに思いついた。

でもそれは今にして思えば、ザラ家という後ろ盾があったからこそできた事も、多かった気がする。

『あの頃は、自分の力だけで何とかしている気になっていた。』

地位も無く、確固たる立場も無く、本当の名前も名乗れない。

自分はただのボディガード、アレックス。

本当に自分の力だけでやっていかなくてはならなくなった今は、迷う事だらけだ。

だけど、カガリが居てくれれば、それ以外何もいらないじゃないか。裏付けのないプライドなんて捨ててしまえばいい。

『でも、カガリはオレだけのモノじゃない。』
昨日のカガリの泣きそうな顔が浮かんできた。

アスランはうつむく。
前髪が、うるさい。


第2章へつづく)
次の章へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ