BASARA、鬼徹で意味が分かると怖い話。

□鬼は何処(いずこ)に
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地獄は一年中常に忙しく慌ただしい。
だが今はある問題が話題に持ち上がり地獄はそれどころではなかった。

「閻魔よ。あの鬼は何処(いずこ)に行ったのだろうな」
「分からないんだ…。手掛かりが何も見付かってないし…」

イザナミと閻魔は食堂で茶を啜り話し合っていた。

「“鬼灯くんが行方不明”になってから一ヶ月…地獄全て探した様な気分…」

閻魔は疲労で目の下の隈が日に日に濃くなってゆく。何か一つでも鬼灯に関する情報が手には入れば安心出来るのであろうが烏天狗警察総動員しても日本妖怪、獄卒全員で探しても何も進展がない上に天国の方にも探してもらっているがそれでも見付からない。

「まるで神隠しじゃな」
「うん…。あれだけど、今夜白澤くんに聞いてみるよ。犬猿の仲だけど何か分かるかもしれないし」

極楽満月が閉店準備を始めた頃に閻魔は白澤の元へやって来た。
外で片付けをしていた桃太郎に軽く挨拶して白澤を呼んでもらえるよう頼む。

「閻魔さんが来るなんて珍しいですね。どうしたんですか?」
「鬼灯くんの事は知っているね?何か知らないかな?」

鬼灯と聞いて白澤は嫌そうな顔をしたがすぐ戻った。

「アイツは最後に海を見たいと言ってましたよ」
「海?」
「ええ。きっと羽を伸ばしたかったんじゃないですか?」
「でも無断で連絡もせず海に行くかな」
「プチ家出とか?人間の真似をしたくなった、とか」

うーんと唸り声を上げ閻魔は考え込む。
白澤は頭の後ろで手を組み清々しいと言い出そうな笑顔を浮かべた。

「今頃海に潜ったり沈んだりしてるんじゃない?」

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