桜が舞う龍の道

□バレンタインに悪戯
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雪掻きが終わり自室に向かっていると勝家が政宗の部屋の前の縁側に座り何か見ていた。

「柴田、なんだそれは」

勝家の手には小さな箱があった。中身を覗くと三日月、半月、長方形のチョコが入っていた。
おそらく三人の特徴を象っているのだろう。

「“ちょこ”と言う南蛮のお菓子らしい。伊達氏が兵士全員に渡していた」

お菓子を作るのは構わないが兵士全員分作ると凄い金額がかかる。小十郎は溜め息を吐き勝家が台所に居るだろうと言っていたのでとりあえず台所に向かう事にした。
台所に近付けば近付く程甘い匂いが強くなる。それと同時に鼻歌が聞こえてきた。
台所に顔を出すと政宗が何かを見つめ笑っていた。

「〜♪〜♪」
「政宗様」
「お、小十郎!雪掻き終わったのか」

入口で政宗の名前を呼ぶと政宗は元気良く振り返った。

「えぇ。政宗様、此度は何をしておいでで?」

「ちょっとな。小十郎来い」
「は」

小十郎は政宗の隣に立った。

「味見してくれ」

政宗は小十郎にチョコを一欠片渡した。

「甘いか?」
「少し甘味が足りないと思います…」
「じゃあ…」

政宗はチョコを口に含むと小十郎に口移してチョコを食べさせた。

「どうだ、甘いか?」

政宗は妖艶な笑みを見せるとすぐ少し幼い笑顔に戻った。

「一度やってみたかったんだよな〜うわぁ!!?」

小十郎は政宗を持ち上げ台に乗っけた。

「政宗様あまり小十郎を刺激しないで戴きたい」
「はぁ!?っ!ちょ!!どこ触って!!つか、俺極殺のお前を受け入れるのムリぃ!!」
「政宗様は出来る子ですっ!」
「いや、本当ムリ!!聞けよ!!や、本当、あーーー!!!!!!!!」

その後政宗は勝家に慰めてもらいながらもう今回のような事をしないと誓ったのだった。

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