桜が舞う龍の道

□夢だから時に怖いのだ
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死体で出来た山を伊達政宗は歩いていた。
刀は刃こぼれや血で使えなくなり蒼い陣羽織は赤に染まって蒼い竜など塵も残っていない。

「こじゅ…こじゅう…ろ…どこだ…」

政宗は倒れながらも右目を捜した、蒼い眼(まなこ)は必死に茶色の陣羽織を赤い海から捜した。

「いた…!」

政宗の表情は先程と一手変わり子供の様に笑顔を見せ僅かな力で走り右目、片倉小十郎を抱きしめた。
しかし小十郎は抱きしめてくれず、瞳を閉じている。

「小十郎…おい…起きろよ…!」

―嗚呼、そうか…死んだのか…―

政宗は一人理解し呆然としていた。

「死んだ…?じゃあ…約束…やく…そく…は…?」

政宗は小十郎を強く抱きしめた。
愛しい人の声が聞こえない虚しさを埋める様に政宗は叫んだ。

「馬鹿こじゅ!!!!!約束しただろ!!!!!『生涯貴方に尽くし右目でいましょう』って!!!!!何だよこれ!!!!!!約束…っ!!!約束を破りやがってぇぇぇ!!!!!!!!!!」

竜は声を上げて泣いた。
何時間も、声が枯れるまで泣いた。











「カットォォ!!」
*****
「いや〜凄い演技だったよ竜の旦那♪」
「何で俺達が…血のりベタベタする…。おい小十郎、起きろ終わったぞ」
「………」
「…ガチで寝てるね」
「………」(蹴り
「ぐほっ!!………。猿飛ぃ!!!」
「何で寝起き早々極殺で怒られないといけないのぉ!?蹴ったのは竜の旦那だよ!!?」
「政宗様に蹴られるなんて至福の頂きだゴルァ!!政宗様有り難う御座いやす!!!」
「うわっ!?何この人!!気持ち悪っ!!竜の旦那よく平気でいられるね!?」
「…慣れた。逆に今日は落ち着いてる方だ。普段なら(ピー)に(ピー)だ」
「なんかゴメン…変な事聞いて…」
「猿飛!!こんなくだらねぇ事で政宗様との時間を奪うんじゃねぇ!!」
「わ、悪かったよ!!謝るから!!!謝るから刀しまってよぉ!!!!」
「なら指切れ」
「893だ!!アンタ本当の893だよ!!!」
「ガルルル…!!!」
「うわぁぁ!!今度珍しい野菜の種あげるから許してぇ!!!!」
「マジか」
「本気と書いてマジッスよ組長」
「なら許す」
「……」
(相変わらず寝起きは悪いんだな…野菜の種に釣られるなよ。…………でも…こんな戦乱の世だ、さっきのが現実になりうる事もあるんだよな…本当に…小十郎が…)
「政宗様!?如何した!」
「は?」
「竜の旦那何で泣いてるの?」
「泣いてる…?」
(本当だ…涙が…)
「ゴミが目に入っただけだっ…」
(拭いても…止まらない…何でだ…)
「政宗様」
「こじゅ…?」
小十郎は政宗を優しく抱きしめた。「何かナレーション入ってきたよ」

「あれはただの偽りの話、誠の話ではありません」
「分かってる…分かってるから…どこか怖い…」
「一人で悩まずこの小十郎にも痛みを分けて下さいませ」
「こじゅ…」
二人は甘い世界に入っていった。

「猿飛、俺達は帰るからな」
「あ、うん」
「じゃあな、猿」
「気を付けてねリア充(双竜)」


「…いゃ〜撮影も出来たし、コピーして売って俺様の財布を癒やそ〜
猿飛の財布は金とゆう水を得て潤ったが真田幸村の胃袋にある炎で再び乾燥したのだった。

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