桜が舞う龍の道

□サヨナラではなくお休み
1ページ/1ページ

俺は一人の人間に恋をした。
叶わない恋だと知りながら人間に惚れた。

―竜神だったのか…―

あぁ、そうだよ…。
神が人間に惚れた等、愚かな事…笑いたいなら笑え。浅はかで愚かな竜神と…。でも、少しの間だったけど人間としてアンタを愛せて本当に良かった。
竜神とは言え最期が来るとちょっと怖くなる。
アンタと平等になれるように代償を払って損はなかったぜ。
代償は“己の存在”
体は泡の様に消え全て無かった事になる。
嗚呼、泣かないで愛しき人の子…俺は笑ってるアンタが好きなんだ。
アンタが泣いてるとこっちまで泣きたくなるだろ?
そう、笑って笑って。
俺、思うんだ。消えてもまた逢えるって。だから…言わない。



「サヨナラ」ではなく「おやすみ」

腕の中でまた逢える様願いながら眠ろう。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ