Operation
□予言
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2012.12.21
マヤ文明だかマヤの予言だか、詳しい事は知らないけど、この日に世界は滅亡するらしい。
すべて消えて失くなってしまうなら
思いっきりいい事を一緒にしようじゃないか
「黒男」
目の前の黒尽くめの男の名前を呼ぶ。
そういう僕は身も心も真っ黒なんだけどね。
「何だ、間久部」
もっとその声を聞かせて
「ねぇ、知ってる?どうやら今日は世界滅亡の日らしいんだ」
「そうかい。で、それがどうしたっていうんだ。そんなくだらない予言、信じるだけ無駄だ」
もっとその目で僕を睨んで
「そうかなあ。僕は、信じてみたいな」
そう言って君にさっきより近付く
「今日、世界が消えて失くなっちゃうならさ」
黒男の首に手を回し、しがみつく。
甘えた声で強請れば君は僕に褒美をくれるかな。
くれるよね、きっと。というか頂戴。
「2人にしか出来ない事しようよ」
ソファーに押し倒せば、真下に広がる君の香りに酔いそうになる。
無数の消えない傷痕を指で辿る。
この目はもうほとんど見えないけどさ、君の声で温もりで香りですべて分かる、そんな気がする。
世界最後の日
「繋がっちまいますか」
妖しく笑う君の顔が、何よりの宝。