short
□きゅんって音がするらしいです
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「お前、ニャンペローナ好きなの?中身あいつなのに?」
「花礫くん!中身とか言わないで下さい!それに、ニャンペローナは好きですけど、與儀くんは別に好きじゃないので」
「…ふーん」
あれ、花礫くん…今嬉しそうに見えたんですが……気のせいですかね。今は普通にしてますし。
「そういえば、この町でショーやるんだろ?お前は参加しねーの?」
「私は今回は休んで良いと言われました。日常生活に支障はありませんが、ショーをやるには…ちょっと…」
前回の任務でへまをして足を痛めたせいで、ツクモちゃんとショーに出れない。
「歩く分には問題ないのに、平門さんにはパレードも止められたので、花礫くんを買い物に誘いました!」
「お前、それさ………艇で安静にしてろってことだったんじゃねぇの?」
「……………あれ?」
「…ぷっ、お前本当にバカだな」
珍しく声を出して笑う花礫くんに胸がドクンと大きく跳ねた。
「ま、お前が大丈夫なら別に良いんじゃね?平門たちに見つからないように行こうぜ、フィオナ」
今度は胸がきゅんっとした。
でも苦しくないし、嫌じゃない。
むしろ、嬉しくてドキドキする。
あれ、そういえば今……初めて名前呼ばれた…?
凄く嬉しい…
そこで思い出した。
前にイヴァさんが恋愛ドラマを見て、私に言っていた。
恋ってものは…
きゅんって音がするらしいです
end
(やっぱり、恋、ですよね)
(あ?なんか言った?)
(い、いえ!何でもないですよ!)
(あっそ)
((まだ、言えるわけないじゃないですか…!))