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□ようやくこの日が
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前に喰くんと貳號艇に行ったとき、フィオナさんに会ってこんな会話をしましたぁ。
(ど、どどどどうしよう…っ!與儀見ただけでドキドキする…話したいのに話せないよー!どうしたら良いのかな、キイチちゃん…)
(本っ当にムカつくほどもどかしいですねえっ。さっさと告白しちゃって下さい!)
(そ、そんなこと出来ないよ!)
(あんな分かりやすいのにどうして行動に移せないんですうっ!?だから貳組はダメダメなんですぅっ!)
(キイチちゃんー…)
(…っ、全く!フィオナさんなら絶対大丈夫ですからぁ、とりあえず逃げるのだけはやめた方が良いですよぅっ)
(…うん、ありがとうキイチちゃん!頑張ってみる…よ!)
((本当にちゃんと出来るんですかねえ…))
それからしばらくして、やっぱりちょーーーーっと気になったので見に来ちゃいましたぁ。
…心配だったとかそんな理由じゃないですよぅ!
「っで、どうして喰くんまでついてくるんですぅ?」
「そりゃ心配だからね。與儀くんにアドバイスした身としては早くくっついてほしいんだよ」
「ふ〜ん、物好きですねえ」
「キイッちゃんもでしょ?2人が心配だから態々貳號艇まで…」
「べっつに心配なんかしてないですぅっ!勘違いしないで下さい!」
「はいはい、ごめんね。……って、何だろう、アレ…」
喰くんが指差すアレ。
廊下で隠れるように曲がり角を覗く怪しい集団。
「…何やってるんですぅ?」
无さんに花礫さんにツクモ先輩。しかも平門さんまで。貳組はアホばっかですねぇっ!
「てめー壱號艇だろ?何でここにいんだよ」
「花礫さんには関係ないですぅ。ていうか、質問してるのはこっちなんですよぅっ!」
本当に教育がなってないですねぇ…
腕を組んで問えば、花礫さんの代わりにツクモ先輩が答えた。
「與儀とフィオナが凄いことになってるから、心配で様子を見ているの」
「凄いこと?」
喰くんと顔を見合せ、貳組が覗く曲がり角を覗いてみた。
「な…っ!」
「おー…」
ど、どういう状況なんですぅっ!?
「キイッちゃん、そう言えばフィオナちゃんに與儀くんから逃げないようにって言ったんだっけ?」
「そうですけど…なんですかぁ?」
「僕さ、與儀くんに…フィオナちゃんが逃げるようなら無理矢理にでも捕まえて話し合えって言っちゃったんだよね」
「………」
…つまり、キイチのアドバイスと喰くんのアドバイスが同時に実行されたってことですねぇ。