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□照れ屋もここまでくると病気
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たまたま貳號艇に用があって、すぐに帰る予定だったのに……面倒なのに捕まったな…



「喰くーーーん!!」



廊下を凄いスピードで走ってくるのは…與儀くんだ。しかも何故だか目に涙を浮かべてる。

てゆーか、このままだと絶対に突っ込まれるよね。


飛び付いてきた與儀くんを避けると、與儀くんは派手に転んだ。



「いったー…、って!喰くん!何で避けるの!?」

「……與儀くん、何か用事かい?」



避けた理由を言えばまた泣かれて面倒そうだから、僕は話を促した。

けど、それが間違いだったみたいだ。



「そうだ!聞いてよ喰くん!……俺、フィオナちゃんに嫌われたみたい…」

「………は?」



與儀くんとフィオナちゃんの関係は有名だ。
両想いなのに中々くっつかないもどかしい2人だと。貳組の名物とも言える。

そんな関係の2人なのに、フィオナちゃんが與儀くんを嫌ってる?あんなにベタ惚れのフィオナちゃんが?

何でそんな有り得ない考えに行き着いたんだろう。



「……何で、嫌われたって思うのかな?」

「…うん。最近フィオナちゃんが俺のこと避けるんだ…。前まではそんなことなかったのに……。…たぶん、前回の任務で俺がカッコ悪いとこ見せちゃったからなのかな…」



前回の任務。

そう言えば朔さんが言っていた。


平門さんが2人の関係を進展させようと任務で仕組んで、そこでハプニングがあり、與儀くんがフィオナちゃんを抱き締めた、と。

どんなハプニングがあったかは知らないけど、たぶん、抱き締めたのが問題なのは間違いないだろう。


でも、だからってフィオナちゃんが與儀くんを嫌いになるなんて思えないけど…
むしろ余計好きになるんじゃないのかな?



「あ、フィオナちゃん…っ」



與儀くんの視線を追えば、羊と話ながらこちらへ歩いてくるフィオナちゃんの姿が。


確かめるには丁度良いね。
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