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□我ながら完璧な舞台設定
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花礫もツクモも、あの2人の関係に色々やっているようだな。
早くくっつくように。
俺としては今のままでも十分面白いんだが……仕方ない。
協力してやるか。
「やめて。平門は余計なことしないで」
「余計なことだなんて酷いな、ツクモ。俺は善意でやっているんだぞ?」
「……絶対楽しんでる」
「それに、もう2人は任務に行かせたからな。面白くなるぞ」
「………」
と、言うわけで。
俺たちは與儀とフィオナの後をつけてきた。
俺たちというのは、俺とツクモと花礫と无。
やはりフィオナたちが心配なようでこいつらはついてきた。
今回フィオナたちに行かせた任務は、この森の先にある村での情報収集。
そう、この森を通らなければ辿り着けない。
昼間でも暗く重い空気の森を。
「わあぁぁぁぁっ!!!」
「與儀、大丈夫だよ!カラスが飛んだだけだから、ね!」
「…ぐす…、うん…。ごめんね、フィオナちゃん…」
予想通りな展開だな。
「おい……」
「ん?なんだ、花礫」
「なんでこんなシチュエーションをチョイスしてんだよ!與儀がビビるのなんか目に見えてんだろうが!」
「ああ。面白いだろう?」
「…っとに性格悪ぃな」
「最高の誉め言葉だな」
俺の言葉に隣でツクモが溜め息をついたのが聞こえた。
ツクモも花礫も早くくっつけたい派だからな。俺の言動は気にいらないのだろう。