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□見てるこっちがハラハラ
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今日は與儀とフィオナがデートに行くみたい。
本人たちはただ買い物に行くって言っていたけど、私たちから見ればもうデートにしか見えない。
ようやく一歩を踏み出せたのに一安心したものの…
いつまでも奥手な2人が心配でついて来ちゃった。……けど、どうやら心配だったのは私だけじゃなかったみたい。
「花礫くん、あまり物壊さないで」
2人のもどかしさに花礫くんはだいぶイライラしているみたい。手当たり次第に何でも蹴り飛ばしてる。そんな花礫くんに怯えている无くん。
そして…にやにやと楽しそうな平門。
花礫くんたちだけで外出はさせないから誰か着いてきてるとは思ったけど…平門絶対楽しんでる…
「良かったー、まだ残ってて!売り切れる前に全部買っちゃった!」
「良かったねーフィオナちゃん!あ、俺持つよ!」
「え、だ、大丈夫だよ!これくらい!與儀も買い物あるんだから、私は平気だよ! 」
「そ、そっか……」
「いや持てよ!!荷物持つのとかそれこそ男のみせどころだろ!!どんだけヘタレなんだよ!何丸め込まれてんだよ!」
「が、花礫くん、落ち着いて…」
「花礫、怖い…」
でも確かに今のはちょっと…
大丈夫って言われたからって、そこで諦めちゃうなんて。
結局、お互いの荷物はそれぞれで持ってて、フィオナの方が多い。
これは確かにデートとは呼べない、かな。
與儀がいるにも関わらず、フィオナナンパされてるし…
はぁ…もう、
見てるこっちがハラハラ
(おいてめーら何ナンパなんかしてんだコラ。折角手繋ぎそうだったのにどう責任取るんだ?え?)
(ひーっ!すみません!)
(花礫!銃はダメだよ!)
(ただの不良だな。どっちが悪者か分からないぞ)
(……もっと安心して2人を見守りたいのに…)